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【管理栄養士監修】牛乳が体に悪い理由とは?科学的根拠や論文はある?

ひと昔前までは牛乳はカルシウムが豊富で体にいいという考えが主流でした。

しかし研究が進むうえで、最近では牛乳は体に悪いという考えが増えてきました。

牛乳が体に悪いかいいのか、普段飲んでいる方にとっては、かなり気になる内容かと思います。

この記事では管理栄養士監修のもと、牛乳がなぜ体に悪いと言われるのかを解説していきます。

結論:かなり体に悪いわけではないが積極的に飲む必要はない

結論からお伝えしますと、かなり体に悪いというわけではありませんが、体にいいというわけでもありません。

そのため、健康を意識して積極的に飲む飲み物ではないということです。

牛乳が好きで毎日飲んでいる方は、コップ一杯までに抑えておくなど工夫をすることをおすすめします。

続いてなぜそこまで体にいいわけじゃないのか、体に悪いと言われているのかについて説明してきます。

牛乳が体に悪いと言われる理由

牛乳が体に悪いと言われる理由としては、

  • カルシウムとマグネシウムの比率が悪い
  • リンが多い
  • 脂質やカロリーが高い
  • 動物性タンパク質であること
  • 日本人は乳糖(ラクトース)耐性がない

と言ったものがあります。1つずつ簡単に見ていきましょう。

カルシウムとマグネシウムの比率が悪い

 

牛乳はカルシウムが豊富なのは間違いありません。

しかしカルシウムを体内に栄養として取り込むには、マグネシウムの存在が欠かせないのです。

その比率は10:1ほどでカルシウムが多いです。理想のマグネシウムとカルシウムの比率は2:1ほどなので、明らかにカルシウム過多な飲み物となっています。

なので十分にカルシウムが体内に吸収されずに、そのまま体外へと排出されるのです。

ただしここに関しては、マグネシウムを他の食材やサプリメントで補うといったことでカバーはできます。

リンが多い

牛乳はカルシウムと同様に「リン」が多く含まれています。リンはミネラルの一種で、大切な栄養素の一つでもありますが、摂りすぎはよくありません。

リンが過剰になると、血管石灰化といって、血管が狭くなったり硬くなったりして、心筋梗塞や足の痛みなどが起きてくるのです。

牛乳の飲み過ぎによって、リンが過剰摂取になってしまうのです。そのため体に悪い要因としてあげられます。

これも摂りすぎなければ大きな問題にはならないので、適切な量を飲むように心掛けることが大切です。

脂質やカロリーが高い

牛乳は他の飲み物と比べても、脂質やカロリーが高いです。

そのため太りやすい飲み物になるので、肥満に繋がるとして体に悪いとされます。

市販では牛乳や砂糖、コーヒー、紅茶などを混ぜたカフェオレやミルクティー、他にも果汁と混ぜたイチゴオレなどがあります。

こういったものは、糖質と脂質が掛け合わさることで、かなり太りやすい飲み物になっているので注意が必要です。

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動物性タンパク質であること

牛乳はタンパク質も含まれていますが、動物性タンパク質になります。

この動物性タンパク質は、筋合成を高めるには効果的なものですが、その反面発ガン性や、動脈硬化といった原因になるとされています。

主に牛肉や豚肉がこの動物性タンパク質として注目されがちですが、牛乳も例外ではありません。

日本人は乳糖(ラクトース)耐性がない

牛乳が体に悪い大きなポイントとして、日本人は乳糖耐性がないことがあげられます。

乳糖とは牛乳などの乳汁中に含まれるおもな炭水化物です。体内に取り込まれると、人の身体はこれを分解するのですが、日本人は乳糖を分解するための酵素(ラクターゼ)というものが少ないとされています。

そのためうまく乳糖を処理できずに、下痢などを起こす人が多いです。これを乳糖不耐ともいいます。

欧米の人たちは大昔から牛乳を飲む文化があったため、乳糖を分解する酵素が体内に多く含まれています。そのため牛乳をしっかりと栄養として取り込むことができるのです。

ただし日本人でも乳糖耐性を持っている方もおり、飲んでも下痢をしないという場合は、大きな問題はありません。

牛乳を飲むたびにお腹を壊すという人は、乳糖不耐に当てはまる可能性が高いので、なるべく飲まないようにすることが大切です。

下痢をすることで、他の栄養素も吸収できない状態になるので、牛乳が体に悪いとされる理由にもなりますね。

ヨーグルトやチーズの方が体にいい

じゃあ牛乳を使っているヨーグルトやチーズも体に悪いの?となるかもしれません。

ヨーグルトやチーズは発酵食品といって体に良いイメージがありますよね。

結論からお伝えすると、ヨーグルトやチーズは牛乳よりも体にいいです。

理由は、発酵の過程で乳糖が減り、乳糖不耐の人でもお腹を崩しにくくなります。さらに発酵することで善玉菌が生まれるので、腸内改善に効果があるのです。

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牛乳が体に悪いと言われる科学的根拠や論文はある?

牛乳に関して体に悪い理由はなんとなくわかったかと思います。しかし科学的根拠や論文といった、確かなデータなものかというのも気になるところですよね。

これに関しては、体にいいという研究結果もあれば、体に悪いという研究結果もあるので、一概にデータから判断することは難しいです。

論文や研究は、企業などの都合のいいように研究内容を調整する場合も多いので、そういった研究がされているから正しいと判断はなかなか難しいです。

ここでは一部の論文を紹介するので、気になる方はチェックしてみてください。

高齢者における牛乳摂取と身体活動に関する研究

川上 浩
共立女子大学大学院家政学研究科

朴 眩泰
国立長寿医療研究センター

朴 晟鎭
東京都健康長寿医療センター研究所

青栁 幸利
東京都健康長寿医療センター研究所

の4人の論文である、高齢者における牛乳摂取と身体活動に関する研究です。

要約すると、全対象者を低牛乳摂取グループ(200 mL 未満/日)85名,および高牛乳摂取グループ(200 mL 以上/日)94名に分けて、歩行速度や筋量のテストを行いました。

その結果、身体活動や体組成の向上に有効である可能性が示唆されたとあります。

スウェーデンの調査研究

スウェーデンで行われた、女性に対して10年間の調査研究があります。

牛乳を一日3杯以上飲むグループと、1杯未満のグループに分けて、死亡率と股関節が骨折するかどうかを取ったデータになります。

結果としては、一日3杯以上飲むグループの方が死亡率と股関節の骨折が見られたという結果になりました。

そのため牛乳を飲むことで、骨がもろくなるというのがこの研究結果の結論になっています。

牛乳の飲み過ぎによる、タンパク質・脂質の過剰摂取により、心臓等に影響を与えている可能性もありますね。

ハーバード大学でも牛乳を飲むと骨がもろくなるデータがある

世界を代表するハーバード大学でも、牛乳を飲んでも骨は強くならない、むしろ脆くなるといったデータがでています。

※ ※ ※

このように論文や研究結果は、意外と何が正確な情報なのかはわかりにくいのです。

それは体質によっても違いがありますし、研究の条件も公平性を保たれているかどうかはわからないからです。

▼参考動画

どんな食べ物・飲み物も摂りすぎないことが大切

牛乳が体に悪い理由などをお伝えしてきましたが、牛乳に限らずどんな食べ物・飲み物も摂りすぎないことが大切です。

牛乳も栄養価は高いので、下痢をしない方であれば、1日一杯ぐらいは大きな問題はないと言えます。

乳糖耐性がある方でも、牛乳を飲み過ぎることで体へ負荷がかかるので注意が必要です。

牛乳より体に悪いものはたくさんある

牛乳は栄養素だけでみれば、そこまで体に悪いわけではありません。

牛乳よりも、普段食べているもので体に悪いものはたくさんあります。

ポテトチップスやカップラーメン、砂糖がたくさん入ったジュースや炭酸飲料。これはいずれも牛乳より体に悪いと言えます。

なので牛乳だけに注目するのではなく、普段の食事を見直すことが何よりも大切です。

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今回は牛乳が体に悪い理由について解説しました。

この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。最後までご覧いただきありがとうございました。

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